不思議実験「空気のすご~い力!in福山」レポート2page

8.霧吹きの原理を応用した実験

「今度は、キットの中から穴の空いたフィルムケースと発砲スチロール球、真ん中に穴の空いたストローを取り出してください。出したら、球をフィルムケースの中に入れてください。」

みんなの準備が整ったところで、新村先生からこんな問題が出されました。

空気の力でこの球を浮かせたいと思います。どうすれば良いと思いますか?3つの道具を使って試してみてください。」

みんな、ストローを穴に差し込んで吹いたり、吸ったりして試しています。

「じゃあ、今から説明します。 ストローの穴とフィルムケースの穴が合うようにして持ちます。その状態で、ストローからフッ~と息を入れてみてください。」

すると球は蓋に付くくらい、見事に浮き上がりました!

「この仕組み、身近なところだと“霧吹き”に応用されています。上の方から空気を流すことで下にある水は空気の流れる方に引き寄せられ、上の方へと移動し、前から霧状になって出てきます。

テーブルに大きな模型が出てきました。
この原理を分かりやすく見せてくれるようです。

月僧先生の手には、ブロアという風を送り込む機械とT字型の管、水を模した発泡スチロール球が。

「T字型の下の部分を発泡スチロール球(霧吹きの場合はこれが水にあたる)に近づけたまま、上に強い風を流します。すると、球は風の流れるところに引き寄せられ、前から飛び出していきます。マシンガンのように連続で勢いよく飛び出しますよ! じゃあやってみましょう。」

そういってスイッチをONにすると、正面の管口からポンポンと勢いよく発砲スチロールの球が飛び出していきます。
「キャーー!!」「スゴーーイ!!」と子どもたちは大興奮です。

管の部分を長くすることでより遠くに球を飛ばせる実験や、小さめの風船を沢山詰め込んだ筒の上に強い風を送り込むと風船が飛び出てくるといった実験も行われました。

四方に飛び出した発泡スチロール球や風船は、みんなの協力によって集められ、回収されました。

空気の力でスチロール球を浮かせてみよう!

空気の力でスチロール球を浮かせてみよう!

空気の力でスチロール球を浮かせてみよう!

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9.マグヌスコップ

次に、2コのコップの底をくっつけた道具が登場しました。
胸のあたりに持ち上げて手を離すと… 当然、ストンと落ちてしまいます。

「普通に手を話すとそのまま落ちてしまいますよね。じゃあ、これにぐるぐるとゴム巻きつけて落とすとどうなるか? 実験してみます!」

ゴムを巻きつけて落としてみると、くるくる回転しながらカーブを描いて、さっきよりもゆっくり落ちていきました。

これは、“風に向かって飛ばす際に回転させることで曲がる現象”。
『マグヌス効果』というそうです。
野球のボールを回転させながら投げると曲がるのも、同じ原理だとか。

ゴムを巻く方向や飛ばし方によって、「回転方向」や「飛行時間」が異なるという実験も行われました。子どもたちは興味津々です!

「本当はこの場で全員に実験をしてもらいたいのですが、それだけのスペースが確保できないので…」

ということで、代表数名が舞台前に出て“マグヌスコップ”を飛ばす実験が行われました。どれも見事にくるくると飛んでいます!

ほとんどの方が、残念ながらこの場での実験ができませんでしたが、ゴムの巻き方や飛ばし方などのレクチャーをしっかり受けて、お家へ帰ってからの宿題実験となりました。

風のチカラで回転させよう!マグヌスコップ実験

風のチカラで回転させよう!マグヌスコップ実験

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10.空気の力でボウリングを持ち上げる

「空気について、だいぶ詳しくなってもらえたと思います。これまでの実験で『大気圧』『音を伝える』『風』、この3つのことが分かりましたね。では、最後に空気の力と掃除機を使ってこの重い“ボウリングの球”を動かしたいと思います。

念のため、掃除機でボウリングの球を吸ってみますが… 上から吸っても、下から吸っても、球はビクともしません。
この重いボウリングの球を、一体どうやって動かすんでしょう?

ここで登場したのが巨大ストローのようなプラスチックの管。
「これをボウリングの球にすっぽり被せて蓋をします。この状態で空気を抜いたら… 上がると思う人?」

「ハーイ!」と沢山の手が上がりました。
ですが、結果、球は全く動きません。 実験の結果は“失敗”です。

「ここで、さっきの水の実験やマシンガンの実験をちょっと思い出してみましょう。球を浮かせるには、上からの力だけじゃなくて下からの力も必要ですよね? 今度は、下からも空気を入れて大気圧の力を加えてみましょう!

管の下に板を挟んで“隙間”を空け、再度挑戦です。
すると、ボウリングの球は見事に上へ上へとあがっていきました!
重いものが宙に浮かぶ様子は、まるで手品を見ているかのようです。

空気の力でボウリングを持ち上がる?

空気の力でボウリングを持ち上がる?

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今回のサイエンスショーでは、「空気」をテーマにいくつもの実験が行われました。

これらの実験を通して、

色んな空気の力があること・空気(気体)にも重さがあること・空気は音を伝えるということ

そして、大気圧のことも分かりました。
空気は、今も私たちの周りにいっぱいあります。その見えない空気にはすごい力があるんだということが分かりました。

最後に、「見えないものを見ていくことで、これからも身の回りにある“見えないもの”を、いろんな科学を感じてもらえればと思います。いろんなことを、自分で調べて、試して、確かめてみてください!」と月僧先生。

「今日はみなさんと色んな実験ができてとても楽しかったです。みなさんも楽しかったですか?」という新村先生の問いかけに、大きな拍手が返ってきました。

今回のサイエンスショーは大成功です!

空気のすご~い力!in福山
見えない「空気」のすごい力を、色んな実験を通じて教えてくださいました。
空気のすご~い力!in福山
記入済のアンケートと引き換えに、もれなく風船のプレゼントがありました。
空気のすご~い力!in福山
扉を出ると「楽しかった」「面白かった」という元気な声が飛び交っていました。

ショーが終わって、ロビーで見送る先生たちには「疑問に思ったこと」や
「実験に関する質問」が飛び交っていました。

そして、会場外の広場では早速マグヌスコップの実験をしている子どもた
ちの姿がありました。

次のサイエンスショーではどんな不思議を見せてくれるのか、楽しみです。

今回のショーにご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
ぜひ、次回もご期待ください!

空気のすご~い力!in福山

おわり