Let'Sおうちでサイエンス 第2回 うずの不思議

台風の季節がやってきました。テレビなどの天気予報で台風の動きを見ると、雲がうずを巻いているように見えますね。今回は、この「うず」がテーマです。「うず」に関連した実験をしてみましょう。

実験A トルネードボトルを作ってうずを体験しましょう

最初に、水と食器洗い用の洗剤を使って、台風のようなうずを作って観察してみましょう。300~350ミリリットルサイズの、側面の丸いペットボトルに水を八分目くらいまで入れます。ここに、食器洗い用の洗剤を10滴程度入れ、ふたをしっかり閉め、ビニールテープで固定します。ペットボトルをさかさまに持ち、回転させ、ペットボトルの回転を止めると、中の水だけが回転し、うずができます。このうずは、水平方向の回転運動によってできます。回転運動が大きくなるほど、はっきりしたうずが確認できます。

実験A イメージ

実験B ひもを引っ張ってうずの速さを調べてみましょう

では、このうずの性質を次のような方法で確認しましょう。約1メートルの長さのひもを用意します。ひもの片方の先が少し重くなるように五円玉などのおもりをつけます。図のように、ひもの根元を持って、おもりのついた方を回転させ、速さが一定になったら、ひもを手前に引っ張ります。ひもが短くなるにつれて、回転の速さが速くなります。このことから、回転する円の半径が短くなればなるほど、その速さは速くなることがわかります。つまり、うずも回転する半径が小さくなるほど、速く回転しているのです。

実験B イメージ

実験C 空気砲を作りましょう

最後に、うずを利用した空気砲を作ってみましょう。
手で抱えられる程度の大きさのダンボール箱を用意します。狭い方の側面の中央に直径10
~20センチメートルの円を書きます。段ボール箱を組み立てて、隙間をすべてガムテープでふさぎます。先ほど書いた円を、カッターナイフで切り取ります。これで空気砲は完成です。カーテンなどに向かって、側面を両手でたたいて空気砲を打ってみましょう。空気のかたまりがぶつかって、カーテンが動く様子がわかります。

実験C イメージ

実験D 空気砲でいろいろな実験をしてみましょう

この空気のかたまりがどんな形をしているのかを調べるため、線香の煙を空気砲の中ためて、打ってみましょう。煙の形がドーナツ形になっていることがわかります。このドーナツ形は、実は長いうずが輪になってつながったもので、これをうず輪と呼んでいます。

実験D イメージ

実験D イメージ

今回の「うず」について、いろいろな現象を見てきましたが、「うず」は見えない部分にも重要なことが隠されていることが分かります。また、私たちの密接に関係している掃除機にも「うず」を利用したものがあります。また、町工場の壁からサイロのような小さな装置が出ているのを見かけますが、これはサイクロンという装置で、粉を細かなものと荒いものに分けるのに使われます。ここにも「うず」の原理が利用されています。
このように身の回りで「うず」が利用されていたり、また、いろいろな実験が体験できます。
皆さんもいろいろな実験を考えて、その結果を予想しながら楽しんでみて下さい。

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