2個のボウルを合わせてつけ、ボウルの内側と外側の圧力差ではなれなくします。
準備物
- ステンレスボウル
- 持ち手
- 厚紙
- コンパス
- はさみ
- エタノール(消毒用アルコール)
- マッチ
- スポイト
- 紙管
- プラスチック容器
- 雑巾
- 水
- 接着剤
実験の手順
- 1
ステンレスボウルに持ち手をつける
- 2
厚紙をドーナツ型に切って水にひたす
- 3
点火準備をする
- 4
点火して、ふたして冷やす
- 5
ボウルを引っ張る
実験ムービー
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
解説アニメ
1
ボウルの中でアルコールを燃やし別のボウルをかぶせて冷やすと、2個のボウルはついてはずれなくなることがわかります。ボウルの中でアルコールを燃やすと、まわりの空気が熱せられて膨張します。アルコールを燃やしたまま別のボウルをかぶせ密閉すると、ボウル内の空気は少ない状態になります。そのボウルを冷水につけて中の空気を冷やすと、ボウル内の空気の圧力は減ります。
また、ボウルの中でアルコールを燃やすことで酸素がなくなり、ボウルの中には水と二酸化炭素、残ったアルコールの蒸気ばかりになります。二酸化炭素の大部分はすぐに水に溶け、アルコールは冷やされて液体になるので、ボウルの中に気体はほとんど残らず、その分ボウル内の圧力が減ります。
これらのいくつかの要因でボウル内の圧力が減り、ボウルはまわりの大気に押されてはなれなくなります。
2
<参考>
1650年頃ドイツのマグデブルグの市長ゲーリケが、真空ポンプを発明しました。彼は、2個の半球をあわせてその中の空気を抜き取って真空にし、両側から馬で引かせるという実験を行いました。この実験が真空というものの存在を世の中に知らせることとなりました。これは「マルデブルグの半球実験」と呼ばれています。
参考文献
「ガリレオ工房の身近な道具で大実験」 滝川洋二・石崎喜治編著 大月書店