10月3日日曜日、この日の天候はあいにくの曇り。
不思議実験「空気のすご~い力!in福山」は、福山市内にある近代的な建物「まなびの館ローズコム」の4F大会議室で実施されました。開場まであと30分もあるというのに、早くもロビー受付前には列が!子どもたちはそわそわ待ちきれない様子で、扉が開くのを待ってくれています。
- 今回の会場は「まなびの館ローズコム」4F大会議室で行われました。
- 開場の13時にもなると、ロビーは受付を待つ人でいっぱいに!
- 整理券と交換で、アンケートや実験キットの入った袋をお配りして開場内へ。
主催責任者の挨拶の後、いよいよ実験ショースタートです!
白衣を着た二人の先生、左から月僧先生と、新村先生が舞台に登場しました。
お二人は、全国各地での実験教室やテレビ番組への出演、それぞれの地元で開催される青少年のための科学の祭典に実行委員としてご活躍されています。「科学の鉄人」では毎年入賞、昨年の「三原色は誰が決めた?」では2位を受賞されました。
今日の実験ショーでは、いろんな実験を通して「空気の性質」をみんなに知ってもらいたいと思います。
まずは、空気の重さ(質量)を体感してもらおう!
ということで、直径30cmほどのごく一般的な風船が出てきました。
それを後ろ向きに立っている新村先生の背中にぶつけてみると…
触れたのが分かる程度、重さはあまり感じないみたいです。
「じゃあ、これだとどうでしょう?」
出てきたのは1m以上もある青い大きな風船!
今度も同じように当ててみると…
“ドンッ!”という大きな衝撃で新村先生の足が一歩前に出ました。
この実験で、空気を風船に閉じ込めてぶつけることで「衝撃が起こる=重さがある」ということが分かりました。
普段、空気の重さを感じないのはなぜでしょう?
それは上から、下から、左右から、360度いろんな方向から押されている状態だから感じないんだそうです。
この実験で、“目に見えない”“触れても重さを感じない”空気の存在を知ることができました。
次に、空気は“音を伝える”ことがわかる実験です。
新村先生が取り出したのは目覚まし時計。“ジリジリジリジリ”とベルが鳴り響いている状態で、振動が容器につたわらないよう蓋に吊るし、透明の容器に入れてしまいます。容器の中に入れてもベルの音はよく聞こえています。
「今、この容器の中には空気があります。これからこの中の空気を抜いていきますのでベルの音がどう変化していくのか聞いてくださいね。」
真空ポンプを使って、容器中の空気をドンドン抜いていきます。
すると、だんだん音が小さくなり…
3分後にはほとんど聞こえなくなってしまいました。
「空気を抜くと、音はほとんど聞こえなくなってしまいましたね。じゃあ、今度は空気を少しずつ入れていきますよ。」
ベンをひねると “シューーーッ”という音と共に容器の中へと空気が入っていきます。すると、再びベルの音が聞えてきました。
「“音”は“空気が振動”することによって“伝わり”ます。だから、空気を抜くと振動する物(物質)がなくなってしまうので、音が聞こえなくなってしまいます。」
“空気が振動する”ことで“音が伝わる”。その“振動”が私たちの“鼓膜”に届くことで“音が聞こえるようになる”ということが分かりました。
今度は、先ほどの青い風船と同じ大きさの赤い風船が登場しました。
「音の伝わり方にはいろいろあります。それは、気体の重さによっても違ってきます。」と月僧先生。
「さっきの青い風船の中身は“空気”でしたが、この風船の中には空気よりも重い“二酸化炭素”が入っています。どんな違いがあるのか、みんなに体感してもらいます。」
ということで、会場の各エリアには赤と青、2つの大きな風船が登場しました。
「風船を挟んで向かい合わせの状態で声を発したとき、中の気体が違うと、それぞれ相手にはどのように聴こえるのか。実験してみましょう!」
各エリアにいるスタッフが、風船越しに声を発していきます。
子どもたちにはどのように聴こえたのでしょう?
“空気”の入った青い風船越しでは、はっきりとは聴こえない声が。
“二酸化炭素”の入った赤い風船越しでは、明瞭で大きな声になって聴こえました。
中の気体が違うと、なぜ聴こえ方が違うのでしょう?
月僧先生が説明してくれました。
「音は“空気”を通ると、広がるようにして伝わります。一方の二酸化炭素は、空気とは逆に“中心方向”へ音が屈折するため、音はビーム状に進みます。だから、大きな声になって聞えるんですね。」
目に見えない気体にも、それぞれ“重さ”があるということが“音の伝わり方”の違いによって体感できました。